歌詞考察|tuki.『騙シ愛』嘘と真実に揺れる心を読み解く、「愛」の意味

音楽と豆知識
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この曲は4月13日にTBS系の日曜劇場枠で放送スタートしたドラマ『キャスター』の主題歌となっています。

この記事では「tuki.(ツキ)」の「騙シ愛」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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騙し合いのこの世界で
信じられるものを探す
もう見失わないから

どうして嘘をついてしまったの
どうして本当を話せないんだろう
あなたはどんな顔するでしょう
自分を守りたいだけじゃないの?

望まない事ばかりだ
悲しそうな顔させてしまうわ
月の裏側も知らずに
夢だけ見ていたね

騙し愛の嘘の中で
信じられる物を探す
瞳が欲しい
まだ未来はわからないままだけど
心、裏切らないで
もう見失わないから

どうして嘘を覚えたんだろう
どうして本当を隠すのだろう
私は知らぬふりをするのでしょう
触れてしまうことが怖くなったの

青いままで熟れた果実みたいに
気付かれもしないで
枯れてしまう前に
一口齧って欲しいだけ

騙し愛の闇の中で
触れたはずのぬくもりだけ
覚えている
まだ未来はわからないままだけど
心、裏切らないで
私を生きてくから

藻掻くほど迷い込み
真実は零れてく
手に触れた感触を
覚えていられるか

騙し合いのこの世界で
信じられる物を透かす
瞳が欲しい
まだ未来は何も決まっちゃいないよ
心、裏切らないで

手探りでいいよ
私を象ろう
いつか必ず出会うだろう同じ痛みを
分け合えるような貴方と出会うために

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

「どうして嘘をついてしまったの」:嘘の背後にある“防衛機制”という心の働き

人はなぜ嘘をつくのでしょうか。
それが相手を傷つけると知っていながらも、真実を語れないとき、そこには心を守るための“防衛機制”が働いていると心理学では考えます。

ここでいう「防衛機制」とは、ジークムント・フロイトが提唱した、無意識に自我を守るための心理的プロセスのこと。
特にこの歌詞では、「否認」「抑圧」「合理化」などの防衛機制が見え隠れしています。

例えば、「どうして本当を話せないんだろう」という一節に込められているのは、「本当の気持ちを話したら傷つくかもしれない」「拒絶されるかもしれない」という不安。
その不安から心を守るため、人は嘘という形で感情を包み込むのです。

生徒
生徒

ねえ、「防衛機制」って初めて聞いたんだけど、どういうものなの?

豆知識専門家
豆知識専門家

簡単に言うと、自分の心が傷つかないようにする“無意識の工夫”みたいなものかな。

生徒
生徒

無意識ってことは、本人も気づかないで嘘をついてることがあるってこと?

豆知識専門家
豆知識専門家

そうそう。例えば「合理化」っていうのは、自分の行動をもっともらしく説明することで罪悪感を薄めるの。

生徒
生徒

たしかに、「自分を守りたいだけじゃないの?」って歌詞、まさにそうだね。

豆知識専門家
豆知識専門家

そう。嘘をつくこと自体が悪いっていうより、“自分の心をどう守ってるか”がテーマなんだよね。

「青いままで熟れた果実みたいに」:自己肯定感と“未成熟な自己”の比喩

この歌詞の中でも特に印象的な比喩が、「青いままで熟れた果実」というフレーズ。
これはまさに、自分自身が「まだ成長途中」でありながらも、誰にも気づかれず、傷つき、枯れてしまうという恐れを表しています。

心理学でいう「未熟な自己」は、“アイデンティティの拡散”や“自己肯定感の低さ”と関係しています。
他者の期待に応えようとしすぎて、自分の本当の気持ちを押し殺してしまう。
そんな未熟な自我は、「一口齧って欲しいだけ」という小さな願いに凝縮されているのです。

生徒
生徒

「青いままで熟れた果実」って、すごく切ない表現だよね。

豆知識専門家
豆知識専門家

うん、心理学でいうと“アイデンティティの確立”がまだできていない状態に近いんだ。

生徒
生徒

つまり、「自分が何者なのか」って迷ってる感じ?

豆知識専門家
豆知識専門家

そう。特に自己肯定感が低い人は、自分が傷つくのを恐れて「齧って欲しい」って言えなくなっちゃう。

生徒
生徒

この歌詞の“欲しい”って、ただの欲求じゃなくて「見つけてほしい」って叫びなんだね。

豆知識専門家
豆知識専門家

まさにそう。触れてほしいけど、壊されるのが怖い。そんな揺れ動く心がここに詰まってるよ。

「心、裏切らないで」:アタッチメント理論と“安心感の再構築”

歌詞の中で繰り返される「心、裏切らないで」というフレーズは、一見すると恋人への訴えのように見えますが、心理学的には“アタッチメント(愛着)”の問題と読み取ることができます。

アタッチメント理論は、子どもの頃の親との関係がその後の人間関係や愛情のパターンに深く影響すると説きます。
特に「不安型アタッチメント」の人は、相手に裏切られることを強く恐れ、それゆえに過剰な期待や執着を抱きやすくなります。

この歌詞では、「信じたいのに信じられない」という矛盾が、「騙し愛」というタイトルにも象徴的に表れています。
つまり、裏切られる痛みを知っているからこそ、「信じたい」「信じさせてほしい」という切なる願いが、繰り返し歌われているのです。

生徒
生徒

「アタッチメント理論」って、恋愛にも関係あるの?

豆知識専門家
豆知識専門家

めちゃくちゃあるよ。特に不安型の人は、恋人のちょっとした行動にも敏感になって、信頼できなくなりやすいんだ。

生徒
生徒

それって、「信じられるものを探す」って歌詞にもつながるね。

豆知識専門家
豆知識専門家

そう、裏切られた経験がある人ほど、「次こそは本当に信じたい」って強く願うもの。

生徒
生徒

「騙し愛」って、ただの悲しい関係じゃなくて、信頼を再構築する“再出発”の物語なのかも。

豆知識専門家
豆知識専門家

うん、だからこの歌はただのラブソングじゃなくて、“心の回復の物語”でもあるんだよ。

『騙シ愛』は、一見すると裏切りや偽りをテーマにしたネガティブな楽曲に思えるかもしれません。
しかし深く読み解けば、そこには“人を信じることの難しさ”と、“それでも信じたいという願い”が幾重にも込められています。

人は誰もが不完全であり、時には嘘をつき、時には信じられずに苦しむ存在です。そんな揺れ動く心をまるごと描き出しながら、この曲はこう語りかけてきます。

「大丈夫、手探りでも、もう一度、誰かと信頼を育て直していける」

そして『騙シ愛』というタイトルは、嘘の中にほんの少しだけ残された“真実の愛”を信じたいという、切なる願いを逆説的に表しているのです。

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