歌詞考察|Saucy Dog「奇跡を待ってたって」恋に至る病に隠された本音とは

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Saucy Dog(サウシードッグ)の新曲「奇跡を待ってたって」は10月24日公開の映画「恋に至る病」の主題歌となっています。

この記事では「Saucy Dog(サウシードッグ)」の「奇跡を待ってたって」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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しげみの中で一人ぼっちなの
瞬きをする度に涙が伝う
もう、そんな思いを
き君にさせる様ななやつは
いなくなっちゃえばいい
殺してやりたいと
思えてしまうくらい
純粋な愛だった
いき過ぎた思いは蛹になって
羽が生えただけの塊になった

奇跡を待ってたって
自由にはなれなくて
ただ、大空に羽ばたいて
見たこともない綺麗な
場所へ行きたいだけ
誰も傷つかないでいいように
嵐を蹴散らして
期待なんかしないで
これからは僕らで
書き換えてくんだ運命すら
いきたいだけ
また君が一人泣かないで
いいように

※歌詞は現時点で判明している部分を耳コピしたものになります。

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

純粋な愛が“蛹”になるとき

印象的なのが、「殺してやりたいと思えてしまうくらい純粋な愛だった」という一節です。
このフレーズは、ただの嫉妬や怒りではなく、“愛の純度が高すぎるがゆえに狂気へと変化していく瞬間”を描いています。

ここで注目したいのが、その後に続く「いき過ぎた思いは蛹になって 羽が生えただけの塊になった」という比喩表現です。
蛹(さなぎ)は本来、蝶になる前の「変化の過程」を象徴しますが、この歌詞では「羽が生えただけの塊」と表現されている。
つまり、蝶になる前に「変態」が止まってしまった不完全な存在なのです。

これはまさに、映画『恋に至る病』で景が“愛する人を守る”という一途な思いから、他者を排除し、やがて殺人犯へと変わっていく過程と重なります。
純粋な愛は、美しく羽ばたく蝶にも、狂気を宿した蛹にもなりうるのです。

豆知識専門家
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「蛹(さなぎ)」という言葉の語源は、古語で「さなぎ=さな(狭)+ぎ(衣)」とされ、「体を包み込む狭い衣(殻)」という意味があります。
つまり蛹とは「変化を内に秘め、外からは見えない状態」を指します。
この語源を踏まえると、歌詞の“蛹”は、愛がまだ蝶=自由な愛に変わりきれていない、閉じ込められた情念のメタファーだとわかります。

“奇跡”という言葉に潜む受動性

奇跡を待ってたって 自由にはなれなくて」という一節は、この曲のタイトルとも直結する重要な部分です。
ここで使われている「奇跡」という言葉には、実は興味深い語源があります。

豆知識専門家
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「奇跡」という言葉の原語はラテン語の「miraculum(ミラクルム)」で、「驚くべき現象」や「人知を超えた出来事」を意味します。
英語の“miracle”も同じ語源です。
元々、「奇跡」は“自分の行動ではどうにもならない外的な力”を指す言葉なのです。

つまり「奇跡を待ってたって自由にはなれない」とは、「受け身のままでは、閉じ込められた愛や運命は変えられない」という強い自覚の言葉。
映画『恋に至る病』で、宮嶺が景をただ信じるのではなく、彼自身が“彼女を疑い、選び直す”という行動を取るのも、まさに奇跡を「待つ」だけではなく、「掴み取る」側に立つ瞬間です。

このフレーズは、物語全体の転換点にも重なる深いメッセージが隠されているのです。

“自由”と“共犯”のはざまで

「これからは僕らで書き換えてくんだ運命すら」という部分は、この曲のクライマックスです。
ここで注目すべきは、“運命”という言葉と、それを“僕らで”という主語で書き換えると宣言している点です。

豆知識専門家
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「運命」という日本語の語源は、中国の易経に由来します。
「運」は「めぐる」、「命」は「天から授けられたもの」。
つまり「運命」は本来、“天から授かった宿命がめぐっていく”という意味でした。
それを「書き換える」とは、本来は神や天にしかできない行為であり、きわめて反逆的な宣言なのです。

映画の文脈で言えば、景と宮嶺は、ただの恋人ではなく「共犯者」に近い関係へと変化していきます。
宮嶺が景を疑いながらも彼女を愛し、運命を共に“書き換える”覚悟を決める姿は、「奇跡を待つ」受動的な恋愛から、「世界に抗う」能動的な愛への転換点といえるでしょう。

「奇跡を待ってたって」という曲は、ただの恋愛バラードではありません。
純粋すぎる愛が狂気と背中合わせであること、奇跡を待つだけでは運命は変えられないこと、そして二人で世界を書き換える覚悟が“自由”を生むことを、繊細な比喩と語源に満ちた言葉で描いています。

映画『恋に至る病』のラスト4分で明かされる「彼女の本心」は、この歌詞の全体像と見事に呼応しています。
奇跡を「待つ」愛ではなく、奇跡を「つくる」愛。
それがこの曲の核心なのです。

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