歌詞考察|Fukase「Bad Entertainment」SNS時代の闇とは

音楽と豆知識
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Fukase(SEKAI NO OWARI)の新曲「Bad Entertainment(バッドエンターテイメント)」はセカオワ深瀬のソロプロジェクトで、第1弾目の楽曲となっています。

この記事では「Fukase(SEKAI NO OWARI)」の「Bad Entertainment(バッドエンターテイメント)」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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我々手を変え品を変え
貴方のテリトリーまで
手に取り易さはさながら
ゲートウェイドラッグ
買え買えなんて言わないよ絶対
だってみんな
欲しがるように工夫してある
毒の苦味がわからないように
甘くしてある
サイコなパティシエ
夜な夜な練り込む
劇薬ピリピリ最後の旅路へ
やみつき中毒 虜も引き連れ 道連れ
リテラシー無いし チョロすぎ
子供たちが真似する だめだめ
ママたちもう 涙目
確かに それじゃ防ぎ切れん
侮れん 情報の掃き溜め
子供たちが真似する 簡単に
パパたちも カンカンに
確かに でもそれじゃ守り切れん
侮れん のめり込むチルドレン
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?
ネクスト磔 お前らだクレーマー
悪い噂ほど信じてく今
イマジンなくして叶わぬ平和
陰謀論が煌めく令和
ゴシップを見て悪人か確認
デタラメ憶測で内面を探り
理想で固めた人格に
アイコラ作って股間まさぐり
アイツはちょっとアレらしいとか
リテラシー
持たずにいやらしい想像する
子等たち
苛立ち?まさか
あきらかに雑魚だし
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?

データ、根拠、それって本当?
科学的根拠、変わっていくホント
もはや根本 覆すどんどん
それでも欲しがる根拠
ほとんど信仰
歴史振り返っても変わっていく事実
真実は生き物
もう少し学べばいいものを
でもおかげで俺はイージーモード
ほらまた誰かが垂れ流す
毒入りエンタメ The Endだね
入れたね 俺もね
さながらタランテラ
死なないように踊ってな ってな
子供たちが真似する だめだめ
ママたちもう 涙目
確かに それじゃ防ぎ切れん
侮れん 情報の掃き溜め
子供たちが真似する 簡単に
パパたちも カンカンに
確かに でもそれじゃ守り切れん
侮れん のめり込むチルドレン
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?
Bad Entertainment
毒入りケーキ
What’s your favorite flavor?
Bad Entertainment
病みつきスーベニア持ってきな
的な?

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

「毒入りケーキ」の甘さとは何か

歌詞の冒頭で描かれるのは、「手を変え品を変え」「ゲートウェイドラッグ」「毒の苦味がわからないように甘くしてある」といった、巧妙に加工された“甘い毒”です。
ここでいう「毒」とは、もちろん物理的な有害物質ではなく、情報・ゴシップ・刺激的なコンテンツなど、人の欲望をくすぐるエンタメそのもの。
つまり、本作のタイトル「Bad Entertainment」は、“悪意あるエンタメ”ではなく“悪い意味で手放せなくなるエンタメ”を指しているのです。

ポイントは「毒の苦味がわからないように甘くしてある」という表現。
これは、現代SNSが持つ“即時快楽”の仕組みを鋭く言い当てています。
不安、怒り、刺激──これらを砂糖でコーティングしたように届けることで、気づけば抜け出せなくなる。

豆知識専門家
豆知識専門家

「ゲートウェイドラッグ(Gateway Drug)」は、より強い薬物へ誘導する“入口”になる依存物質を指す社会学用語です。
1970年代のアメリカ麻薬政策で広まり、本来は薬物依存の段階性の研究に使われていました。
ここでは、それが「情報依存」「刺激依存」のメタファーとして使われているのが特徴です。
SNSや動画プラットフォームのアルゴリズムもまさにこの仕組みで、弱い刺激→強い刺激へと誘導していきます。

夜な夜な「サイコなパティシエ」が練り込んでいるのは、アルゴリズムであり、拡散される情報そのものなのかもしれません。

リテラシーの欠如と“掃き溜め”としての情報空間

「子供たちが真似する」「ママたち涙目」「侮れん 情報の掃き溜め」。
この一連のフレーズは、情報空間の危険性が家庭レベルまで侵食していることを描きます。

特に面白いのが「掃き溜め」という古い言葉のチョイス。
これは単なる罵倒表現ではなく、日本の文化的文脈を踏まえた深い比喩です。
掃き溜めとは、汚れや落ち葉を掃いて集める場所のこと。
つまり、不要なもの・汚いもの・価値のないものが集まる空間を指します。

SNSでは有益な知識と同じ場所に、陰謀論、デマ、嫌悪コンテンツが平然と並んでいます。
その混沌とした状況を「掃き溜め」と呼ぶことで、情報の取捨選択がいかに難しいかが伝わってきます。

豆知識専門家
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「掃き溜め」は和歌にも登場する古い表現で、「掃き溜めに鶴」ということわざがあります。
“価値のない場所に、光るような存在が紛れている”という意味。
歌詞の文脈に重ねると、現在の情報社会もまさに「掃き溜めに鶴」状態。
真実がゴミに埋もれ、見分けがつかなくなっているという鋭い風刺になっています。

ここで「リテラシー無いし チョロすぎ」と続くのは、現代の情報教育がいかに追いついていないかを突きつけるパンチラインです。

真実は生き物という核心

後半で提示されるテーマは、情報そのものの不確かさ。
「科学的根拠、変わっていくホント」「歴史振り返っても変わっていく事実」。
これは情報系の歌詞として驚くほど本質的です。

特に「真実は生き物」という比喩は、歴史学や哲学でも議論されてきた概念に近いものがあります。
真実は固定されたものではなく、時代の価値観・データ・調査手法の変化によって常にアップデートされる。

それでも「欲しがる根拠 ほとんど信仰」と歌うのは、情報より“自分が信じたい物語”を信じる人間の性質を突き刺す描写です。

豆知識専門家
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哲学者ニーチェは「事実など存在しない、あるのは解釈だけだ」と述べました。
また、歴史学では「史実」は“固定された真理”ではなく“最新の研究が示す現在の理解”にすぎないとされます。
つまり、歌詞の「真実は生き物」という表現は、現代思想と驚くほどリンクしているのです。
これをポップソングの中で扱うセンスはかなり異色と言えます。

「タランテラ」という単語も深い象徴性を持ちます。
タランテラはイタリア南部の舞踊で、毒蜘蛛に噛まれた者が“死なないように踊り続ける”という民間信仰に由来。
つまり、悪しき情報の毒にやられながらも、踊るしかない現代人の姿を示しているのです。

『Bad Entertainment』は、現代の情報社会が抱える依存性・歪み・混沌を、「毒入りケーキ」という鮮烈なモチーフで描いた曲です。
甘い刺激に誘われ、気づけば抜け出せない。
デマやゴシップが拡散し、真実は混ざり合い、いつの間にか信仰のような“物語”にすり替わる。
その中で子どもも大人も巻き込まれていく。

タイトルの「Bad Entertainment」は、「悪い意味で手放せなくなる情報社会そのもの」の象徴です。
この曲は、ただの社会批判ではなく、“毒を食べながら生きるしかない現代人への自覚”を促すメッセージでもあります。

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