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この曲は4月期ドラマ「いつか、ヒーロー」の主題歌となっています。
この記事では「石崎ひゅーい」の「HERO(ヒーロー)」の歌詞の意味についての考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!
気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!
石崎ひゅーい HERO(ヒーロー) 歌詞
希望もやさしさも今じゃもう思い出か
応えてほしいんだ 僕はどう映ってる?
殴り書きの夢みたいに
知らぬ間に淀んだストーリー
いつから脇役になったっけ?
臆病者の言うとおり
滲んで消えたワタリドリ
まだ間に合う4月の風
僕はヒーローになりたくて
ヒーローになれなくて
いつの間にかたくさんの傷をつけて
君のヒーローになりたくて
何度も空を仰いで
独りよがり 夜の帷 錆びた鎧を脱いで
まだ幼い愛しさでも君を守りたい
きっと未来はそっぽ向いたりしないって
ちゃっかり思ってた
だって世界はきっと最後にはそっと
チャンスをくれるって
そうだ そうやって堪えて散らかした毎日だって
いつかいつかって願って
後片付けする暇もなく日が暮れていく
気が遠くなる でもここにいる
出会ってみたいんだ 本当の自分に
わかってくれないか?
この胸で光れ
いつかヒーローになりたくて
悲しみを分け合って
やさしさだけでは誰も救えなくて
君のヒーローになりたいよ
どんなに叫んでみても
抱きしめていく痛みもある そんなリアルを吐いた
確かなことは一つだけさ 僕はここにいる
「大丈夫いつでも」そう笑い飛ばしてさ
その柔らかい眼差しの中に 僕ら夜明けを見るんだ
石崎ひゅーい HERO(ヒーロー) 歌詞考察と豆知識
それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!
「ヒーローになりたくて、ヒーローになれなくて」―“自己理想”と“現実の乖離”がもたらす苦悩
この曲の中で何度も繰り返される「ヒーローになりたくて」というフレーズ。
これは単なるヒロイズムの憧れではなく、心理学でいう“理想自己(ideal self)”と“現実自己(real self)”のギャップによる葛藤を描いています。
「殴り書きの夢みたいに」「知らぬ間に淀んだストーリー」という表現は、純粋な願いがいつしか自分自身の中で曇ってしまったことを象徴しており、それが自己否定感に繋がっていきます。

ねえ、「ヒーローになりたい」って気持ちって、どうしてこうも人を苦しめるんだろうね。

それ、実は心理学でもしっかり語られてるよ。“セルフコンセプト”って知ってる?

なんとなく。自己イメージのこと?

そうそう。それには「理想自己」と「現実自己」の2つがあって、両者に大きなギャップがあると、劣等感や自己否定が生まれるんだ。
ヒーロー=理想の自分。
でも現実では、臆病だったり誰かを傷つけたりしてる。
それが苦しいんだよね。。。

つまり、「なれなかった自分」への失望が、曲の中の葛藤そのものなんだね…。

うん。でもそこから脱ぎ捨てる“錆びた鎧”こそ、自己受容の第一歩なのかも
「まだ幼い愛しさでも君を守りたい」―未成熟な自己が持つ“保護者役割”の矛盾
「まだ幼い愛しさ」とは、“未完成な自分”が“誰かを守りたい”という感情を持った瞬間の不安定さを表しています。
心理学でいう“ヤングケアラー”にも通じる部分があり、自分の不安定さを補おうとするように、誰かを守ることで存在意義を確保しようとしているのです。
さらに「独りよがり」「夜の帷」「錆びた鎧」という表現は、“自我防衛”の象徴です。
誰かを守りたいと願いながらも、本当は自分を守るために鎧を着ている――この矛盾も、ヒーローの持つ二面性として描かれています。

ねえ、「誰かを守りたい」って気持ち、なんでこんなに切実なんだろう?

それ、“救済者コンプレックス”って概念に近いんだ。人を助けることで、自分の価値を見出そうとする傾向。

でもこの曲の中では、まだ「幼い愛しさ」って言ってるよね?

そこがポイント。
未熟な状態で「守る側」に立とうとすると、自分の心の準備ができてなくて、逆に傷ついたり、自分を犠牲にしたりしがちなんだ。

守るって、実は大人の行為なんだね…。

だからこそ、ここでは「錆びた鎧を脱ぐ」っていう一節が大事なんだよ。
見せかけの強さを脱ぎ捨てて、本当の意味で人と向き合う覚悟を持つ瞬間だから。
「君のヒーローになりたい」―“誰かの物語”で生き直すという救済
この曲では「僕自身のヒーロー」ではなく、「君のヒーローになりたい」と言っています。
ここに現れるのは、自己中心的な願いから、他者視点での自己認識への転換。
これは心理学で言う“視点取得(perspective taking)”の一歩でもあります。
また「どんなに叫んでみても 抱きしめていく痛みもある」という部分は、愛や優しさが万能ではない現実を示していて、「やさしさだけでは誰も救えなくて」というリアルな認識と繋がっています。

でもさ、そもそもヒーローって何なんだろうね?

心理学者ユングの考えでは、「ヒーロー」は“自我が無意識と統合されていくプロセス”の象徴なんだって。

なんか難しいな…。

「影」っていう、無意識の中にある“自分の否定したい部分”を統合していく過程が、ヒーロー神話にはよく描かれてるの。
例えばバットマンとかも、自分の弱さや怒りを受け入れてこそヒーローになるよね?

なるほど、この曲の主人公も「優しさだけでは救えない」「叫んでも届かない」っていう限界を知って、それでも“ここにいる”って言い続けてる。

そう、それが“影の統合”なんだ。
強さ=無敵じゃなくて、弱さも受け入れてなお、そこに立っている。
それがヒーローの本質。
石崎ひゅーい HERO(ヒーロー) 歌詞考察と豆知識 まとめ
「HERO」というタイトルは、スーパーマンのような超人的存在ではなく、“等身大の人間”としてのヒーロー像を描いています。
優しさだけでは救えない現実、臆病な自分、傷つけてしまった過去。そういった“人間らしさ”を引き受けた上で、「ここにいる」と言えること。
これは仏教でいう“諦観”や、“覚悟”に近い感覚かもしれません。
「光れ」と願うこの胸は、ただの自己主張ではなく、「誰かの物語の一部になってもいい」と思えるようになった“成熟したヒーロー”の姿なのです。
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