歌詞考察|キタニタツヤ「なくしもの」“空っぽ”の正体とは?

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この曲は6月27日より公開の映画”でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男”の主題歌となっています。

この記事ではキタニタツヤ」の「なくしものの歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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大事なものがいくつもあって
一つさえ失くしたくなくて
ちゃんと抱えて歩いてきたのに
気づいたら 空っぽだ
生きることってなんですか

何をなくしたのかさえも分からなくて
けれど大事にしてたことは憶えていて
いつか誰かが拾ってくれるでしょうか
探し続けていたら がらんどうに向き合えたら
いつか生きてて良かったと思うでしょうか

ただ生きていたって良いやと笑えるでしょうか
誰かを踏み潰す雨が止みますように
差し伸べられた手をちゃんと取れますように
なくしものはあなたと見つけられますように
いつか いつか いつか いつか…

※歌詞は現時点で判明している部分を耳コピしたものになります。

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

「空っぽだ」の意味と“空”に込められた東洋思想

ちゃんと抱えて歩いてきたのに 気づいたら 空っぽだ

この一節は、「努力したのに失った」という喪失感が凝縮されたフレーズです。
にもかかわらず、ここで使われている言葉は「空っぽ」。
空虚と喪失は似ているようで、実は違います。

ここに込められた深い思想を探るには、“空”という言葉の語源を見てみる必要があります。

〈豆知識:語源「空」って“無”じゃないって知ってた?〉

生徒
生徒

「“空っぽ”って、ただの“何もない状態”だと思ってたけど…」

豆知識専門家
豆知識専門家

「実はね、東洋思想では“空(くう)”って“無”じゃなくて“すべてが移ろう状態”を意味するのよ」

生徒
生徒

「へえ、じゃあ“空っぽ”って、“なくなった”んじゃなくて“手放した”って意味にもなるの?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。仏教でいう“空”は、“執着を手放した先にある自由”でもあるの。
だから、この歌詞の“空っぽ”もただの喪失じゃなくて、“抱えていた何かから解放された”って読み方ができる」

生徒
生徒

「喪失じゃなくて再生の始まりかもしれないってことか…深いね」

この空っぽという言葉に、東洋的な「空=変化し続けるもの」という意味を当てはめると、「なくした」ことが絶望ではなく、次の生き方への“余白”として感じられるのです。

「拾ってくれるでしょうか」に込められた“落とし物文化”の美学

いつか誰かが拾ってくれるでしょうか

この問いかけは、喪失からの回復を“誰かの手”に託しているようでいて、日本的な「優しさ」の文化が滲んでいます。

この歌詞に重ねられているのは、“落とし物”に対する日本文化特有の価値観です。

〈豆知識:日本の“落とし物”が世界一返ってくる理由〉

生徒
生徒

「“誰かが拾ってくれる”って、日本人ぽい優しさの表現だよね」

豆知識専門家
豆知識専門家

「うん、日本って“落とし物の返還率”が世界一高いの知ってる?」

生徒
生徒

「知らなかった!なんでそんなに?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「江戸時代から“落とし物は届けるのが道徳”って考え方があったんだって。『拾得物法』も明治時代からあるし」

生徒
生徒

「それってつまり、落とし物って“誰かが大事にしていたもの”っていう前提があるのか」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。だから“誰かが拾ってくれる”って歌詞は、日本的な希望でもあるんだよ」

このように、「なくしもの」が“拾われる”という未来に希望を託す感覚は、日本的な人間信頼の価値観とも言えるのです。

「なくしものはあなたと見つけられますように」──“あなた”とは誰か?

なくしものはあなたと見つけられますように

ここで登場する“あなた”は、一体誰を指しているのでしょうか?
恋人や友人、もしくは過去の自分かもしれません。
しかし、もう一つの深い読みとして、“未来の自分”という可能性があります。

「見つける」のは“なくした物”ではなく、“なくしたことに意味を与える存在”かもしれません。

〈豆知識:季語「なくす」と“春の別れ”の関係〉

生徒
生徒

「“なくす”ってなんか春っぽい感じがするんだけど」

豆知識専門家
豆知識専門家

「いいところに気づいたね。“なくす”という言葉、実は春の季語と関係してるのよ」

生徒
生徒

「え、そうなの?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「春は卒業、異動、引越しなど“別れの季節”として詠まれるでしょ?だから“なくす”という感覚も、“出会い直すための別れ”として使われることが多いの」

生徒
生徒

「じゃあ“あなたと見つけられますように”は、春に新しい誰かと出会って、意味を取り戻す祈りって読めるのか」

豆知識専門家
豆知識専門家

「うん。“なくしもの”っていうタイトルにも、再生への願いが込められてるのかもしれないね」

この曲『なくしもの』は、単なる喪失の悲しみを歌っているわけではありません。
“空っぽ”になることを恐れず、誰かに拾われることを信じ、そして「あなた」と共に見つけ出す──これは、「なくす」ことが前提にあるからこそ得られる“再生の物語”です。

曲タイトルの『なくしもの』も、過去形ではなく現在進行形。
つまり“まだ見つかっていないもの”を探し続ける旅の途中であり、だからこそ、“生きてて良かったと思うでしょうか”という問いかけが、静かな希望として響いてくるのです。

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