歌詞考察|あいみょん『いちについて』に隠されたスタートの哲学とは?

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この曲は7月13日よりスタートした日曜劇場『19番目のカルテ』の主題歌となっています。

この記事では「あいみょん」の「いちについて」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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簡単に幸せになれる方法を 探してる
そんな検索ばかり 馬鹿馬鹿しい いいよ笑って
透明な 瞳で世間を 見られたら
どこまでも 楽になれるの だろうか
落とされた 世界が 少しぬかるんでいた
初めから つまづいた ピストルの音を 誰かが遮る
傷つけて 形を変えていく 生き方で
そうやって 居場所を見つけたよ 変わりたくて
生きて

※歌詞は現時点で判明している部分を耳コピしたものになります。

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

検索ワードに映る現代の“幸せ”観──「簡単に幸せになれる方法を 探してる」

SNS時代の“幸せ至上主義”に警鐘を鳴らすような言葉です。
何かと「最短ルートで幸せになりたい」「損したくない」という思考に陥りやすい現代人の心の声を代弁しているようです。

ここで面白いのが「検索」という行為。
それは一見、答えを求める主体的な行動に見えて、実は“誰かの答え”に依存する行為でもあります。

豆知識会話:検索という行為の歴史と現代の依存性

豆知識専門家
豆知識専門家

「『検索』って行為、今では当たり前だけど、元々は宗教的な“問い”から始まったって知ってた?」

生徒
生徒

「え、どういうこと?Googleが始まりじゃないの?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「実は“search”の語源はラテン語の circare(探し回る)。これは“巡礼者が神の啓示を求めて旅する”って意味があって、宗教的探求と深く結びついてたんだよ。」

生徒
生徒

「なるほど…じゃあ、今の“幸せになれる方法”って検索も、ある意味“現代の巡礼”かもね。」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そうそう。でも現代の検索は、自分の答えじゃなく“誰かのテンプレ”に従う旅にもなってる。そこに“馬鹿馬鹿しい”って冷笑が入ってるんだと思う。」

「笑って」と言っているこの歌詞は、自嘲気味でありながら、どこかで“本当の答えはネットの外にある”と気づいている視点が感じられます。

ピストルの音が意味する「スタート」──「初めから つまづいた ピストルの音を 誰かが遮る」

ここで注目したいのが“ピストルの音”。
これは間違いなく「競技のスタート合図」を連想させます。
つまり、“人生”や“何かを始めること”がこの比喩になっているのです。

しかし、その音を「誰かが遮る」とあります。
スタートが切られなかった人生、あるいはスタートすら阻まれた環境。
それは、生まれた家庭や社会的条件、心の病などを象徴しているようにも読み取れます。

豆知識会話:ピストル=スタートの象徴の由来とは?

豆知識専門家
豆知識専門家

「ピストルの音って、陸上競技のスタートでおなじみだけど、これが使われ始めたのは19世紀後半って知ってた?」

生徒
生徒

「えっ、もっと古くからあると思ってた!」

豆知識専門家
豆知識専門家

「意外だよね。最初は旗でスタートしてたんだけど、公平性を保つために“音”の合図が必要になって、ピストルが導入されたんだ。」

生徒
生徒

「音でスタートっていうのも、“聞こえる人だけが走れる”ってことか…。この歌詞の“遮る”って、それすら与えられない人がいるってことかもね。」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。だから“つまづいた”じゃなく“初めから”つまづいたっていうのは、スタートラインにすら立てなかった、って重みがあるよね。」

“ピストルの音を遮る”という描写には、見えない不平等、あるいは自己否定により「走り出せない自分」の存在が滲み出ています。

傷つくことで生まれる「居場所」──「傷つけて 形を変えていく 生き方で」

この部分は、“変化=傷”という視点が新鮮です。
多くの人が「変わりたい」と願いますが、それには必ず「痛み」や「喪失」が伴うという現実を、真正面から捉えています。

そして“形を変えていく”とは、自分のアイデンティティすら変容しながら、それでも「居場所」を模索する姿です。

豆知識会話:アイデンティティとは“傷つきながら構築される”もの?

豆知識専門家
豆知識専門家

「“アイデンティティ”って言葉、実はラテン語の idem(同一)から来てるんだ。」

生徒
生徒

「あ、それ知ってる。“自分らしさ”って感じの意味だよね。」

豆知識専門家
豆知識専門家

「でも面白いのが、現代の心理学では“アイデンティティって変わるもの”って考え方もあるってこと。」

生徒
生徒

「変わるもの?じゃあ、傷ついて変わるのもアリってこと?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「うん。たとえば、エリクソンって心理学者は“青年期に混乱や傷を経験して、やっと自分が確立される”って理論を出してる。だから“変わりたくて”という願いと“居場所”の発見は、セットなんだよ。」

生徒
生徒

「この歌詞、めちゃくちゃ心理的に深いんだね…」

“変わること=痛みを伴うこと”というリアルな視点が、「いちについて」というタイトルの深層と重なってきます。

「いちについて」とは、陸上競技での「位置について、用意、ドン」の最初の合図。つまり“スタートの準備”です。

でも、この曲では“スタートを切れない人”“つまずいた人”“変わることに痛みを感じる人”に光が当てられています。
それは、「まだ走ってない」こと、「つまずいたスタートラインに立っている」ことも、人生の一部として肯定しようとするメッセージです。

そして、“いちについて”は「走り出す前に自分を見つめる時間」でもある。
この歌詞は、そんな前向きな“停滞”の大切さを、静かに、でも強く教えてくれています。

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