歌詞考察|なとり『にわかには信じがたいものです』に隠された本能と理性

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なとりの新曲「にわかには信じがたいものです」は2025年10月24日(金)に配信リリースされた楽曲となっています。

この記事では「なとり」の「にわかには信じがたいものです」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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近頃、私はどうかしちゃってる!
ひょんなところで度を越しちゃってる!
ま、まさか 私、恋をしちゃってる!?
誤魔化してみる、、、見透かされてる!?
あなたとふたりでかくれんぼ
あの、トンネルの向こうへ行こうよ
夏休みに全部、置いてきた気持ちと
募る気持ちの集合体

左手に伝う心拍数
雨が降ったので、傘をさす
右手でワンツー、珍道中
つまらんトークで日が暮れる
ここにいちゃいけない夜がくるんだ
さよならって手紙を書くんだ
それは、いわゆる
「にわかには信じがたいものです」

近頃、私はどうかしちゃってる!
ひょんなところで度を越しちゃってる!
ま、まさか 私、恋をしちゃってる!?
誤魔化してみる、、、見透かされてる!?
あなたとふたりでかくれんぼ
あの、トンネルの向こうへ行こうよ
なら、いっせーので手放しちゃって
爆ぜる気持ちと扁桃体

左手に伝う心拍数
雨が降ったので、傘をさす
イーアルサンスー、Why_鈍痛???
つまらんジョークで気が狂れる
どこか無愛想な、あの人も
赤信号を渡る、あの人も
本当はいい人だって信じたい!
信じないほうが気が楽だけど
先生じゃ見えない、本質も
夏休みに消えた、アイツも全部
それは、いわゆる
「ニワカにはわからないことです」

あなたとふたりでかくれんぼ
トンネルの向こうへ行こうよ

近頃、私はどうかしちゃってる!
ひょんなところで度を越しちゃってる!
ま、まだ 私は恋をしちゃってる!?
誤魔化してみる、、、見透かされてる!?
真っ赤な林檎とチョコレイト
あの、トンネルの向こうが怖いの?
なら、いっせーので手放しちゃって
私だけを見て!

後ろめたいこと、何にもないのに
消えちゃいたいとか、ばっかみたい!
「傷つけないから、痛くしないから」
信じちゃう君も、ばっかみたい!
何でもないのに、何にもないのに
消えちゃいたいとか、ばっかみたい!
逃げも隠れもしないから、はやく捕まえて

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

無意識への入り口としての象徴

歌詞の中で何度も繰り返される「トンネルの向こうへ行こうよ」。
これは単なる夏の思い出の描写ではなく、「心の奥底=無意識」へと踏み込む比喩と考えられます。

トンネルは古くから“境界を越える”象徴として文学や神話に登場してきました。
たとえば『不思議の国のアリス』のウサギの穴や、『千と千尋の神隠し』のトンネルも、現実と非現実の境界をつなぐ通路として描かれています。
この歌詞の「トンネル」も同様に、主人公が恋を通じて“自分の知らなかった自分”に出会うための通過儀礼なのです。

「夏休みに全部、置いてきた気持ちと」という一節は、子供時代の純粋な心や無垢な感情を象徴しており、恋をきっかけにそれを取り戻そうとしているようにも見えます。
つまり「トンネルの向こう」は、成長の象徴であり、“初恋という変化の門”なのです。

豆知識専門家
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トンネルは夢占いの世界でも「再生」や「変容」を意味します。
心理学者ユングによると、トンネルを通る夢は「新しい自我の誕生」を暗示するそうです。
恋をするというのは、まさに「他者を通して自分が変わる」体験――つまり、トンネルを抜けることに等しいのです。

恋と恐怖は同じ脳で生まれる

中盤に登場する印象的なフレーズ「爆ぜる気持ちと扁桃体」。
恋の高揚感と科学用語の組み合わせが奇妙ですが、実は非常に的を射ています。

扁桃体とは、脳の中で「感情の制御」を司る部分。
特に“恐怖”や“怒り”といった強い情動を処理します。
ところが、近年の神経科学の研究では「恋をしているとき」も扁桃体が強く反応することがわかっています。

つまり恋というのは、「恐怖」と「興奮」が表裏一体になった状態。
相手を好きになるほど不安にもなり、「見透かされてる!?」と怯える主人公の心拍数が上がるのもそのためです。
「左手に伝う心拍数」という描写は、まさにその生理的変化を詩的に表した部分でしょう。

豆知識専門家
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扁桃体の語源はギリシャ語の「amygdalē(アーミグダレー)=アーモンド」。
形がアーモンドに似ていることから名づけられました。
つまり「扁桃体が爆ぜる」という表現は、“アーモンドの殻がはじけるように感情が爆発する”という隠喩的な美しさを秘めています。

信じたい“人間の本質”

終盤で主人公は「赤信号を渡る、あの人も 本当はいい人だって信じたい」と歌います。
ここでは恋の感情が“個人への想い”を越えて、“人間への信頼”へと広がっています。

「信じないほうが気が楽だけど」と言いつつも、信じたいと願うこの心はまさに恋の延長線上。
恋は「ひとりの人間を信じること」から始まり、「世界を信じ直すこと」に変わるのです。

さらに「にわかには信じがたいものです」というタイトルは、恋に落ちた自分自身の心境だけでなく、
“信じる”という行為そのものが不確かで、滑稽で、だからこそ尊いことを示しています。

豆知識専門家
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「にわか」という言葉の語源は古語「俄(にわか)」で、“突然起こること”を意味します。
「にわか雨」や「にわか仕込み」などの使い方が残っていますが、本来は「予期せぬ出来事」というニュアンスです。
つまり「にわかには信じがたいものです」とは、“突然の恋心や感情の変化に自分でも驚いている”という、非常に人間的な揺れを表しているのです。

『にわかには信じがたいものです』は、恋という「心のトンネル」を通過しながら、
恐れと信頼、理性と本能の間で揺れる“人間のリアル”を描いた歌です。

トンネル=変容
扁桃体=情動の爆発
赤信号=道徳を超えて信じたい本質

これらのモチーフが重なり合うことで、タイトルの「信じがたい」は単なる驚きではなく、
“信じること”そのものの尊さを表しているのです。

恋をするとは、自分の知らない「私」に出会うこと。
それがたとえ“にわかには信じがたい”ものであっても、そこには確かに“本質”がある。
この曲は、その真実を軽やかに、そして痛いほどリアルに描いた恋愛哲学の歌なのです。

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