【PR】本ページはアフィリエイト広告による収益を得ています。
優里の新曲「最低な君に贈る歌」は「YUURI ASIA TOUR 2025」で初披露した新曲で11月14日にミュージックビデオが公開されています。
この記事では「優里」の「最低な君に贈る歌」の歌詞の意味についての考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!
気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!
優里 最低な君に贈る歌 歌詞
本気じゃないって分かってるはずなのにね
ズルさに乗っかるようにまた君に会ってる
見透かされてるんじゃないかと
それも分かっているけれど
私だっていつまでもそばに居るわけじゃないよ
柔らかな唇が 私の唇に触れる
話せないよう 塞いでほしい
すぐに全部伝えたくなってしまうから
騙されてあげるだけの
私じゃない覚えておいてね
最低な君へ贈る歌
本気じゃないって分かってたはずなのにね
ズルいのは私の方だと思われるね
すぐに新しい誰かと 仲良さそうに何してんの
私だっていつまでも 追いかける訳ないよ
慣れたような口ぶりで 今日はそばに居てあげる
離さないで キスはやめないで
いつか全部話してしまうだろうから
騙されてあげるだけの
私じゃない覚えておいてね
最低な君へ贈る歌
ねぇどんな気持ちでいるの
一言じゃ伝えられないけど
楽しかったよ
これ以上はもういらないよ
どうか幸せにならないでね
話さないよう 塞がないから
いい子なままで居れなくなった
騙されてあげるだけの
私じゃない早く忘れてね
最低な君へ贈る歌
優里 最低な君に贈る歌 歌詞考察と豆知識
それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!
“ズルさ”の正体
歌詞の冒頭で語られる「本気じゃないって分かってるのに」「ズルさに乗っかるようにまた君に会ってる」。
この矛盾こそ、主人公の恋のすれ違いの核です。
相手が本気でないと知りながらも、惹かれてしまう。
これは心理学で「認知的不協和」と呼ばれ、矛盾した感情を抱えた時、人はその矛盾を埋める行動をとると言われます。
つまり主人公は「本気じゃない現実」を受け入れたくないがゆえに、“会いに行く自分”で心を保っているのです。
さらに「見透かされてるんじゃないかと」という一文は、相手に主導権を握られている恋の構図を示しています。
恋の力関係が逆転し、主人公は相手の“ズルさ”に依存するかのように引き寄せられているのです。

「ズルい」の語源は「ずるむける」と同じ“ずる”で、もともとは「滑る=正面から向き合わない」ことを指しました。
つまり“ズルい人”とは、向き合うべき時に正面から感情を出さない人のこと。
主人公が相手に感じる違和感を、言葉の歴史がすでに捉えているのが面白いところです。
“話せないよう塞いでほしい”の裏にある感情
「柔らかな唇が 私の唇に触れる」
「話せないよう 塞いでほしい」
このフレーズは、恋愛描写としては甘いのに、感情の奥には“恐れ”が潜んでいます。
彼女は本当は言葉にしてしまえば終わってしまうことを知っている。
だからこそ「キスで黙らせてほしい」と願うわけです。
ここで注目したい豆知識がひとつあります。
キスの語源「口吸い(くちすい)」は、古語で“本音を吸い出すもの”というニュアンスを持っていたという説があります。
つまりキスは本来、“言葉では言えないものを伝え合う行為”として理解されていたのです。
主人公が口を塞がれることを望むのは、むしろ言葉よりも“感情そのもの”を共有したいから。
そして同時に、本音をこぼしてしまいそうな自分への防壁でもある。
この矛盾した願いが、恋の終わりが近いことをほのめかす伏線になっています。

古語の「くちすひ」は、万葉集にも登場し、“言葉より先に心が触れる行為”として扱われました。
現代のロマンチックな意味とは少し異なり、キスは「暴かれる心」でもあったのです。
主人公がキスに怯えながら惹かれる理由が、ここに隠れています。
呪いのようで愛情のような別れの言葉
歌の後半で登場する「どうか幸せにならないでね」。
これは一般的な失恋ソングの「幸せになってね」と真逆の言葉です。
ここにこそタイトル「最低な君に贈る歌」の核心があります。
このフレーズは強い拒絶に見えますが、本質は“未練の裏返し”。
心理学では「逆説的メッセージ」と呼ばれ、伝えたい気持ちを真逆の言葉で表すことで、相手に強い印象を残す手法とされています。
さらにもうひとつ面白い豆知識があります。
古語で「まがまがし」は“不吉”という意味のほかに“心が乱れる”という意味がありました。
人に不幸を願う時の“呪いの言葉”は、実は自分自身の心乱れの投影でもあったのです。
主人公の「幸せにならないでね」は、相手への呪いというより、
“あなたが幸せになる未来を想像すると私が苦しい”という自己告白に近いのです。

日本文学では、恋の終わりにネガティブな言葉を使うのは珍しいことではなく、『伊勢物語』の短歌にも“恨みの愛”が数多く登場します。
主人公の叫びは、その延長線上にある“未練の美学”といえるかもしれません。
優里 最低な君に贈る歌 歌詞考察と豆知識 まとめ
この歌は「最低な君」を責める歌のようで、実は“最低なのは私自身”と気付いていく物語です。
ズルいのは相手だけでなく、自分も同じ。
キスに救いを求め、本音を守り、別れの言葉に呪いを込める。
その複雑さこそが、本気ではない恋にしがみついてしまう人間のリアルです。
タイトル『最低な君に贈る歌』は、
“あなたを最低と言っておかないと、自分が壊れてしまうから”という防衛の言葉でもあります。
恋の終わりは綺麗に締まらない。
その泥臭さを肯定した、痛くて人間らしい歌なのです。

コメント