歌詞考察|マカロニえんぴつ「ハナ」に隠された“決意”と“別れ”の伏線とは

音楽と豆知識
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マカロニえんぴつの新曲「ハナ」はNHK『みんなのうた』のために書き下ろした楽曲となっています。

この記事では「マカロニえんぴつ」の「ハナ」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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待ってたよ 言われたとおり
少し眠っちゃったりしたけど
ちょっとはしゃぎ過ぎめ、かしら
だってね 嬉しいんだもの

ねぇ今日はどこへ行く?

きみが歌った日や 叱られた日のこと
ずっと覚えていたいのに
ぼくには今しかわからないんだ
ごめんね でも しあわせだよ

どうしたの?元気がないけど
また怒らせたかしら
身勝手なギューやチューにムカつくけど
ないとね、さみしいばかり

ひかりの中で夢をみた。遠くの街へ行くの
伝えてみたいな せめてきみにだけ

窓の外へ
はじめての今日を はやく走りたい!

きみと歌った日や ほめられた日のこと
ずっと覚えていたいのに
ぼくには今しかわからないんだ
ごめんね でも しあわせだよ
だからしあわせなんだよ

待ってたよ。言われたとおり。
少し眠っちゃったりしたけど。
この冒頭を読んだとき、私は「これは恋愛の歌?」と思いました。
けれど、読み進めるとその印象は大きく覆されます。

この曲は「時間を持たない存在」が語り手になっている歌です。

そしてタイトル「ハナ」には、歌詞の核心が隠れています。

『待ってたよ』と言う「ぼく」は、誰なのか?

注目フレーズ:「ぼくには今しかわからないんだ」

普通、私たちは過去も未来も認識できます。
過去を思い出し、未来に期待する。
しかし「ぼく」には「今」しかわかりません。

つまりこの存在は、時間を積み重ねられない。

そう考えると、歌詞全体が別の世界線で見えてきませんか。

そして主人公が「きみの歌った日」「叱られた日」を覚えていないのではなく、“覚えることができない”のだとしたら?

豆知識専門家
豆知識専門家

日本語で「今」を表す古語に「けふ(今日)」があります。
「けふ」は「現(うつつ)」と同じ語源をもち「いま・現実」といった意味を強くもっています。
つまり「ぼくには今しかわからない」という言葉は、
古語的なニュアンスで言えば「ぼくは“現実”しか知らない」ということにも通じます。

「ずっと覚えていたいのに」
その願いは叶わない。

それでも「しあわせだよ」と言う。

これは、人ではない存在が「きみ」に向けている純粋な言葉なのではないでしょうか。

「ギューやチュー」にムカつくけど、ないと寂しい

注目フレーズ:「身勝手なギューやチューにムカつくけど ないとね、さみしいばかり」

ふつう、ギューやチューにムカつくと言うのは人間のリアクションですが、
後半の「ないと寂しい」という言葉から、この関係性が“恋人同士”に見えてしまいます。

でも、このフレーズを「ペット視点」で読んだらどうでしょう?

抱きしめられるのは少し窮屈。
でも、触れられないと不安で仕方ない。

この“矛盾した愛情”って、まさにペット(とくに犬や猫)が持つ感情です。

豆知識専門家
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心理学には「アンビバレンス(ambivalence)」という言葉があります。
これは「相反する感情が同時に存在する状態」を指します。
愛しているけど腹が立つ。
構われたいけど自由でいたい。
この曲の「ぼく」は、まさにアンビバレンスな感情を抱いているのです。

「ぼく」は、人のように見えて、人ではない。

その視点で次を見ると——急に意味がつながる瞬間があります。

タイトル「ハナ」に隠された伏線回収

注目フレーズ:「はじめての今日を はやく走りたい!」

ここで「ぼく」の正体が決定的にわかるフレーズが出てきます。

「走りたい」

自由に駆け回りたい存在。

そしてタイトル「ハナ」。

花?
華?
名前?

豆知識専門家
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動物の名前ランキング(犬)で「ハナ」は常に上位に入るほど定番です。
(特に日本では、和風の響きで人気があります)

つまり——

ぼく=ハナ(犬)

この曲は「飼い主に向けて語られる、犬の一生の記録」だったのです。

「きみが歌った日」「叱られた日」「ほめられた日」
そのすべてを覚えていたい。
でも、過去を保持することができない。

だから、“今日がはじめての日になる”。

その視点でラストを読むと胸が締めつけられます。

ごめんね でも しあわせだよ
だからしあわせなんだよ

犬は、「今しか生きられない」。
だからこそ、常に全力で愛してくれる。

時間を持たない存在が、
時間を持つ私たちに、
愛をくれる歌。

タイトルの「ハナ」は「花」ではなく「名前」。
そしてこの曲は犬が語り手になり、
飼い主との日々を「今、この瞬間」だけで生きている歌です。

私たちは、過去を悔やみ、未来に不安を抱きます。
でも犬は違う。
犬は「今日」という1日に全力で、まっすぐに、生きてくれます。

ぼくには今しかわからないんだ。
ごめんね。
でも、しあわせだよ。

この歌は、
「今、あなたの隣にいる存在を、大切にしてほしい」
という優しいメッセージなのです。

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