歌詞考察|Uru(ウル)「手紙」“勿忘草色”に託された想いとは?

音楽と豆知識
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この曲は映画『雪風 YUKIKAZE』の主題歌となっています。

この記事では「Uru(ウル)」の「手紙」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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同じ屋根の下  同じ天井を見て
明日思いながら眠りにつく夜
時には小言を呟きながら
忙しなく身支度をする朝

繰り返す日々を退屈だと
思ったことなど一度もありません
あぁ洗濯物が今日も風に揺れている
あなたへ、あなたへ、届けと

見上げれば澄んだ勿忘草色
綿菓子のような雲がただ一つ
静かに流れて行きます
言葉数は足りないあなたでしたが
渡せるようにと繋いできたもの
あなたがくれた日常を
愛しています

擦りむいた膝に貼った絆創膏
優しい声 微笑む顔をそっと浮かべていた
どんな時も心を寄せ 守りつづけてくれた
毎日を憶いながら

会えないのは少し寂しいですが
いつの間にかあなたに似てきた私を
どこかで見ていますか?

言葉数は足りないあなたでしたが
渡せるようにと繋いできたもの
あなたがくれた幸せを
生きています

窓の外にみえる
優しい灯り
私もその灯りのひとつです
見せたい景色や 話したい事が
今日もまた増えました

あなたは私の誇りです

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

同じ天井を見て眠る夜——“退屈”がくれたかけがえのない時間

冒頭に描かれるのは、家族がともに過ごすごく普通の夜と朝。

「同じ屋根の下 同じ天井を見て
明日思いながら眠りにつく夜」

この一節は、一見ただのありふれた日常を描いているようですが、実は“共にあること”の奇跡を語っています。

「繰り返す日々を退屈だと
思ったことなど一度もありません」

ここには、愛情は派手な出来事や言葉ではなく、静かで繰り返される日々の中にこそ宿るという深い認識があります。

そして、「洗濯物が風に揺れる」という描写——これも「退屈な日常」の象徴でありながら、実は誰かの手があってこそ成立するもの。
そこに「あなたへ、届けと」託す気持ちは、感謝と愛情のにじむ“手紙”そのものです。

生徒
生徒

「“退屈”って言葉、なんでこんなに奥行きを持って響くんだろうね?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「実は“退屈”の語源って、仏教語の『倦怠(けんたい)』が元なのよ。
心がだらけてしまう、煩悩に囚われた状態のことを言ってたの」

生徒
生徒

「じゃあ、それを“思ったことが一度もない”っていうのは、日々を修行のように大切に過ごしてきた証ってことか」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。何気ない日常の繰り返しこそが、愛情の本質ってことに気づいてるんだよね」

生徒
生徒

「なんか急に洗濯物が、ありがたく見えてきた…!」

“勿忘草色”が照らす、言葉なき伝承のやさしさ

サビ部分で登場する「勿忘草(わすれなぐさ)色」は、この曲の情緒を象徴する言葉のひとつです。

「見上げれば澄んだ勿忘草色
綿菓子のような雲がただ一つ」

勿忘草は、ヨーロッパ原産の植物で、「私を忘れないで」という花言葉を持ちます。
ドイツには「恋人が流された花を拾おうとして命を落とした騎士の言葉が”Forget-me-not”だった」という伝承があり、それがそのまま花の名前になったとされています。

つまりこの「勿忘草色」は、別れの寂しさと、永遠の想いを同時に託す色。歌詞では直接「死」や「別れ」を言わないまま、色彩でそれを語っているのです。

「あなたがくれた日常を
愛しています」

ここにあるのは、目に見えないバトンのような“遺されたもの”。
それは言葉ではなく、記憶と体験で繋がれた優しさです。

生徒
生徒

「“勿忘草色”って、なんでこんなに胸に刺さるのかな」

豆知識専門家
豆知識専門家

「この色、実は“死者を忘れない”って意味を持つ象徴色なんだよ。ドイツ語の”Vergissmeinnicht”(フォーゲスマインニヒト)から来てるの」

生徒
生徒

「えっ、“私を忘れないで”って、まんま歌詞のテーマじゃん」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。この色を空に見上げること自体が、忘れたくない誰かへの祈りなんだよ」

生徒
生徒

「なるほど…。だから雲も“綿菓子”みたいにやさしく流れてるのか」

“あなたは私の誇りです”——言葉の少なさが物語る、無償の継承

終盤の歌詞では、いなくなった“あなた”に語りかける形で、強い想いが綴られます。

「会えないのは少し寂しいですが
いつの間にかあなたに似てきた私を
どこかで見ていますか?」

これは明らかに、生前には口にできなかった感謝と敬意を、「手紙」として届けようとする姿です。

「渡せるようにと繋いできたもの」

このフレーズが繰り返されるのは、血縁や文化、記憶といった“言葉にできないもの”がしっかりと渡されているという証です。
言葉が少なかった“あなた”が本当に伝えたかったことは、無数の行動とまなざし、気配の中にあったのでしょう。

「あなたは私の誇りです」

この一行で、すべてが報われていきます。

生徒
生徒

「“言葉少ない”って、ちょっと不器用な印象あるけど、なんか深いよね」

豆知識専門家
豆知識専門家

「実は昔の日本人って、あまり感情を言葉に出さない文化だったの」

生徒
生徒

「たしかに“以心伝心”とかあるもんね」

豆知識専門家
豆知識専門家

「だから、言葉で伝える代わりに“行動”や“姿勢”で想いを見せるのが主流だった」

生徒
生徒

「なるほど。だから“手紙”というかたちでようやく受け取れたんだね」

「手紙」という曲は、亡き人への直接的な哀悼を描くのではなく、“語られなかった愛”を、日常の中から静かに浮かび上がらせます。

タイトルの「手紙」は、その沈黙を埋めるための“後から届く想い”の象徴。言葉では足りなかったあの日のやさしさを、歌というかたちで丁寧に包みなおしたものです。

誰かを思う気持ちは、今も風に揺れる洗濯物や、空の色、膝に貼られた絆創膏の中に、ちゃんと息づいている。
この歌は、そんな“あなたがくれた日常”こそ、最大の贈り物だったと教えてくれます。

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