歌詞考察|アイナ・ジ・エンド『大丈夫』が描く“未来”に込められた意味とは

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この曲は4月10日より配信されているNetflixの新作アニメ「ムーンライズ」の主題歌となっています。

この記事では「アイナ・ジ・エンド」の「大丈夫」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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What to do pray for?
What to do pray for?
鳴らさないで 紡いで

What to do pray for?
What to do pray for?
歩いてみよう 2人で 未来まで

ありがとう 思い出さなきゃ
ぼくたち このままなんだ
戦わないまま 暮れゆけば
宙に舞うよ ほら穏やかに

大丈夫 大丈夫
怖いけどね 多少さ
大丈夫 大丈夫
歩いてみよう
ふたりで 未来まで

つまり詰まる 僕たち海
泳ぎきって 疲れ果てたら
影撫であい 振り返ると
ほら浮かぶ 宝石の過去

聞こえているよ 君の声は
いじわるな 季節なら超えたよ
ななめに陽射し 落ちていく そっと

大丈夫 大丈夫
怖いけどね 多少さ
大丈夫 大丈夫
歩いてみよう
ふたりで 未来まで

歩いてみよう
ふたりで 未来まで

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

「歩いてみよう」の裏にある“未完成の美”

《歩いてみよう ふたりで 未来まで》

この一節には、ありきたりな前向きさではなく、“未完成なままで進もうとする強さ”が見えます。
ここで注目したいのは、「未来」という言葉に込められた時間感覚です。

豆知識:未来の語源は“未だ来たらず”

豆知識専門家
豆知識専門家

「“未来”って、もともと“未だ来たらず”って書くよね。
あれって単に“まだ来ていない”ってことじゃないんだよ。」

生徒
生徒

「どういうこと?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「“未来”って、“来るかどうかわからない”っていう不確実さも含んでる言葉なんだ。
“今、どう生きるか”が未来を形作るっていう日本語の時間感覚があるだ。」

この歌の「未来」は確定されたゴールではありません。
むしろ、歩みの中で形を変える、生成途中の“余白”と考えることができます。
だからこそ《歩いてみよう》という選択には、「何も決まっていない不安」と、「決めずに進む勇気」が同居しているのです。

「つまり詰まる 僕たち海」──“海”は記憶の容れ物

《つまり詰まる 僕たち海》という表現は、どこか言い淀むような情景。
「海」はしばしば“広がり”や“自由”の象徴とされますが、この歌では逆に、感情の渦や沈殿した記憶として描かれています。

豆知識:「海」は“記憶”と“無意識”の象徴

豆知識専門家
豆知識専門家

「フランスの思想家ガストン・バシュラールによると、海は“深層心理や記憶の象徴”なんだって。」

生徒
生徒

「えっ、感情の“深さ”とか“溜まり”としての海?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「そう。特に日本語でも“海に沈める”“海に流す”って表現、全部“忘れる”とか“心に収める”って意味を含んでるんだよね。」

ここでの海は、言葉にならないまま“詰まっている”感情のメタファー。
泳ぎきったあとに“影を撫で合う”という行為は、言葉よりも体温や記憶で交わる関係性を示唆しています。
つまりこのパートは、「思い出は流れ去るものではなく、撫でるように残り続けるもの」だという感覚の提示なのです。

「大丈夫」は“言葉にできない感情”の包み紙

曲のタイトルでもあり、印象的に繰り返される《大丈夫》という言葉。
不安な感情の中で何度も口にするこの言葉は、“元気なふり”ではなく、“感情を包んで差し出す和紙”のような存在です。

豆知識:「大丈夫」という言葉の変遷

豆知識専門家
豆知識専門家

「“大丈夫”って、近代以前には“男らしさ”や“力強さ”の象徴だったけど、現代ではもっと曖昧な言葉になってるんだよ。」

生徒
生徒

「曖昧ってどういうこと?」

豆知識専門家
豆知識専門家

「“本当は大丈夫じゃないけど、大丈夫って言いたい”っていう、“心の保留”を表す言葉として機能してるだ。」

この言葉は、論理的な解決よりも相手との空気や関係性を守るための“余白”のようなものです。

だからこそ《怖いけどね 多少さ》というリアルな不安と、《大丈夫》がセットで語られる。
これはまさに、“本当は怖い。でもその不安ごと、あなたと一緒に包みたい”という静かな願いです。

“言葉にならない時間”を誰かと包むということ

この『大丈夫』という曲が伝えるメッセージは、「不安がないこと」ではなく、
「不安や迷いがあっても、そこに誰かがいてくれる」ことの価値。

それは、明るく突き進む力ではなく、“立ち止まりながらも関係を紡ぐ知性”。
そして、その関係は“完璧な言葉”ではなく、“曖昧なままに包み続ける言葉”で支えられていくのです。

タイトルの『大丈夫』は、ある種の言葉にできない感情を誰かと共有する“ラッピング”

未来はまだ来ていない。
けれど“共に歩いてみる”という行為自体が、関係性の肯定であり、それこそがこの曲の核心ではないでしょうか。

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