【歌詞考察】aiko『カプセル』の「赤い実」は何を意味するのか?

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この曲は4月8日放送スタートのTVアニメ『アポカリプスホテル』のエンディング主題歌となっています。

この記事では「aiko」の「カプセル」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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あなたに出逢ったら
毎日がとても短くなった
ちゃんとメイクも落としたし
下を向いても笑ってた
あなたは全てだったみたいに言うなよって
笑うけれど
あたしにとっては全てだった
強く危うく儚くも

あたしの事忘れたかな
花は枯れて実を残して
心というものが産まれたの
どこに行ったの?
寂しいよりも逢いたくて
死にそう

時間が経っても
いつもを変わらずやり終えたのは
やっとあなたに逢えた時
壊れてたら恥ずかしいから
閉じ込めたのはさいごの気持ちと歯ブラシ
もう一度と 願う回数も減ってしまった
全部ひとりで決めたんだ

あなたを待ち日が暮れてく
その間にまた産まれた
この気持ちをなんと言うのですか
考えてもわからないの
やっぱり逢いたいよ

見つけてよ 赤い実のままで生きているから
言えないよね
このまま誰かに踏まれて無くなるわ
別れるってこう言う事
あなたの事忘れたいな
過去も今も消えるのにな
隙間のない日々に溢れてた
喜びとか幸せとか

あたしの事忘れたかな
花は枯れて実を残して
心というものが産まれたの
どこに行ったの?
寂しいよりも逢いたくて
死にそう

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

「花は枯れて実を残す」―“感情”は散るのか、実るのか

「花は枯れて実を残して
心というものが産まれたの」

この印象的なフレーズが指し示すのは、失恋や別れによって“咲き誇っていた花(感情の盛り)”が終わった後、そこに残される“実(記憶・経験)”の重みです。

豆知識:花と実、そして“心”の由来にある「果の思想」

豆知識専門家
豆知識専門家

この表現、実は古代からの“果の思想”と通じているんだよ。

生徒
生徒

果の思想?

豆知識専門家
豆知識専門家

うん、日本語の「果てる(終わる)」という語源には「果(くだもの)」と共通するイメージがあって、「終わること」が「何かを結ぶこと」「何かを残すこと」だったんだ。
つまり、花が枯れる(終わる)ことは、“実を結ぶ(残す)”ため。
失恋もただの喪失じゃなく、「心」という“内面の実”を生んだという意味になる。

生徒
生徒

まるで感情が「果実」になる感じだね。

豆知識専門家
豆知識専門家

そう。この歌詞の「心が生まれた」ってフレーズ、まさにその象徴だと思う。

「歯ブラシを閉じ込めた」―日常という記憶カプセル

「閉じ込めたのはさいごの気持ちと歯ブラシ」

日常の些細な品が、記憶と感情を封じ込める“カプセル”になる。
このフレーズが秀逸なのは、“感情を物に込める”という、日本人特有の感性に根ざしている点です。

豆知識:民俗学に見る「ものに宿る心」

豆知識専門家
豆知識専門家

日本文化には、物に心が宿るというアニミズム的な感性があるんだよ。例えば、古くなった針を供養する「針供養」とか。

生徒
生徒

なるほど…じゃあ歯ブラシも、ただの道具じゃないんだね。

豆知識専門家
豆知識専門家

そう、むしろ“感情の形見”としての存在。
この歯ブラシには、共に過ごした時間、交わした会話、別れの予感まで、すべてが染みついてる。

生徒
生徒

それを「閉じ込めた」というのが、“感情の凍結”って意味にも感じられる…

豆知識専門家
豆知識専門家

まさにその通り。だからこの歌のタイトル『カプセル』が生きてくる。

「赤い実のままで生きている」―“未熟なままの愛”という結晶

「見つけてよ 赤い実のままで生きているから」

ここで登場する“赤い実”は、未熟なまま摘まれることのない果実=「未完の感情」のメタファーです。

豆知識:赤い実と「未熟の象徴性」―文学と神話の中の“罪”と“希望”

豆知識専門家
豆知識専門家

赤い実って、聖書では“知恵の実”=禁断の象徴として描かれることが多いけど、日本の文学でも“赤い実”には独特の意味があるんだ。

生徒
生徒

例えばどんな?

豆知識専門家
豆知識専門家

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』には「赤い実のナナカマド」が登場するし、太宰治の作品にも“熟れきらない赤”はよく出てくる。
どれも“成長途中の痛み”とか、“純粋さのまま終わってしまった愛”を象徴してるんだ。

生徒
生徒

ってことは、この“赤い実のまま生きている”ってフレーズは…

豆知識専門家
豆知識専門家

成熟できなかった愛を“そのまま生きる”という、ある意味での“覚悟”の表明なんだと思う。

生徒
生徒

ああ、切ないけど、強いね。

『カプセル』というタイトルは、過去の記憶や感情を「封じ込めたもの」だけでなく、“未熟なまま保存された感情”という意味にも読めます。

この歌詞では、恋の終わりや喪失を、ただの「悲しい出来事」としてではなく、心を生み出す種であり、感情を果実として残すものとして描いている
それは“成熟”を目指すのではなく、“未熟なままでも肯定する”という逆説的な強さを持った愛の在り方。

“赤い実のまま生きる”という決意は、未完でも意味がある、という現代的な愛の哲学そのものなのかもしれません。

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