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この曲はフジテレビ系月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』の主題歌となっています。
この記事では「ヨルシカ」の「修羅」の歌詞の意味についての考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!
気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!
ヨルシカ 修羅 歌詞
あの風 あの風
懐かしいとお前が言った
「懐かしい」
私の心は透けてしまった
山風晴々
風が経った嵐のように
お前が歌うとは知らなかった
忘れたい忘れたい忘れようと私が言った
忘れた
お前が日差しとは知らなかった
波風晴々海がたったひとつのように
私もひとりとは知らなかった
寂しいと歌えば春よ
風を吹く俺は一人の修羅なのだ
青い綺羅星を食べろ
寂しいとうめく修羅
心が心が波打つとお前が言った
あっ心が海だとは知らなかった
山影晴々風が経った嵐のように
お前が笑うとは知らなかった
※歌詞は現時点で判明している部分を耳コピしたものになります。
ヨルシカ 修羅 歌詞考察と豆知識
それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!
「懐かしい」とは何か――風と記憶が交差する瞬間に心は透ける
あの風 あの風 懐かしいとお前が言った/「懐かしい」私の心は透けてしまった
この冒頭の描写は非常に印象的です。
「懐かしい」とは誰しもが口にする言葉ですが、じつはこの言葉の本来の意味を知ると、より深い読み方が可能になります。
▼会話形式の豆知識(「懐かしい」の語源)

ねえ、「懐かしい」って、もともとはどういう意味だったか知ってる?

うーん、昔を思い出してちょっと切なくなるような感じ?

実は「懐かしい」って、平安時代の頃は「親しみを感じて引きつけられる」って意味だったんだよ。

えっ、今の「切なさ」とはちょっと違う?

そうそう。「懐く(なつく)」って言葉があるでしょ? あれと同じ語源で、「自分に引き寄せたくなるような、親密な感情」だったんだ。だから「懐かしい」とは、単に過去を懐かしむだけじゃなくて、その対象にもう一度“触れたい”という欲望の言葉でもあるんだよ。
この「懐かしい」という一語で、主人公の心は“透けて”しまう――つまり、守っていた心の防壁が崩れ、感情が露わになったのです。風という目に見えない存在が、記憶を引き出すトリガーになるという描写にも、自然と感情のリンクを見事に描いています。
「修羅」とは誰か――春を呼ぶ声の裏に潜む戦いの魂
寂しいと歌えば春よ/風を吹く俺は一人の修羅なのだ/青い綺羅星を食べろ/寂しいとうめく修羅
この歌詞の核心部ともいえる「修羅」。
これを単なる“修羅場”のような使い方だと思ったら、大間違いです。
▼会話形式の豆知識(「修羅」の由来)

ねえ、「修羅」ってよく「修羅場」みたいな意味で聞くけど、もともとは何なの?

もともとは仏教用語で、「阿修羅(あしゅら)」っていうインドの戦いの神から来てるんだ。

えっ、神様なの?怖い鬼みたいなイメージがあったけど。

実は「阿修羅」は、元は戦いを司る存在で、常に怒りや嫉妬に満ちていて、神々と戦い続けてるんだ。
でも面白いのは、彼らは“正義感が強いがゆえに争いが絶えない”っていう性質もあるの。

じゃあ「一人の修羅」って、ただ怒ってるんじゃなくて、孤独に戦い続ける存在ってこと?

そうそう。自分の中にある感情と、過去と、そして相手との距離感と、全部と闘ってる感じ。だから「修羅」は“感情の戦士”とも言えるんだよ。
このパートは、主人公が孤独と闘いながらも、それを「春を呼ぶ歌」として昇華させようとする姿が描かれています。寂しさを歌うことで春(=変化や希望)を呼ぶという逆説的構造が、美しさと苦しさを同時に孕んでいます。
「風が経った嵐のように」――自然と心を重ねる詩的構造の秘密
心が心が波打つとお前が言った/あっ心が海だとは知らなかった
自然描写と感情表現が見事に重なり合う部分です。
ここでは、心がまるで自然の一部であるかのように描かれます。
▼会話形式の豆知識(自然と心を重ねる日本文化)

この「心が海だ」って表現、すごく綺麗だけど、なんでこんな風に自然にたとえるのかな?

それはね、日本の詩歌には「心=自然」という捉え方がすごく多いからなんだ。

え、そうなの?

例えば『万葉集』とかでは、山や海、風なんかを通して人の感情を表現するのが基本スタイルなんだよ。季語もそうだよね。自然を詠む=感情を詠むっていう文化。

なるほど…自然を借りて、自分の心を“風景”として語ってるんだ。

そう、だから「心が波打つ」と言えば、それはそのまま“揺れる感情”のこと。でもそれだけじゃなくて、「海」という大きな存在に、気づかぬうちに自分がなっていたという発見の驚きもあるんだよ。
この表現は、自分の感情が思っていた以上に広く、深く、揺れていたことへの驚き、そしてその中で相手の存在がどれほど大きかったかを描いています。
ヨルシカ 修羅 歌詞考察と豆知識 まとめ
歌詞『修羅』は、「風」「海」「春」といった自然のイメージを通して、自分自身の内面を深く見つめた作品です。そしてタイトルである「修羅」は、ただの怒りや苦しみではなく、自分と向き合い、感情の海で一人闘う者の象徴として描かれています。
相手のひと言で心が透けてしまう――それは、戦場にいる修羅が鎧を脱ぎ捨てた瞬間です。そして「寂しい」と歌うことで春を呼ぶ、という矛盾の中にこそ、この歌の本当の美しさが宿っています。
「修羅」というタイトルは、“孤独を抱えながらも再生を願う者”へのエールなのです。
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