歌詞考察|マカロニえんぴつ「化け物」“生の執着”と“異形”の正体

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マカロニえんぴつの新曲「化け物」は10月3日(金)より公開映画「火喰い鳥を、喰う」主題歌となっています。

この記事では「マカロニえんぴつ」の「化け物」の歌詞の意味について考察と歌詞に含まれるワードについての豆知識を書いています!

気軽に楽しみながら豆知識を増やしていきましょう〜!

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間に受けたり
生きてない素振りをしたり
懐かしい貝殻集めて
帰り子供のよう

抱えた化け物を見せて
なんかちょっと悲しいね

明かり消しても
眠れないいつからだっけ
好かれていたい
僕はそのために生まれたの生まれたの

抱えた化け物を見せて
なんかちょっと悲しいね
ねえケダモノを見せて
なんでちょっと痛いんだ
ha ha ha ah

心壊れても
どこへ留めても
誰に重ねても
実は心は
涙など流せないようにできていて
to night…to night…to night
沈んでく

ha ha ha ha

ahahah
心壊れても
どこへ留めても
やはり心は
涙など流せないようにできていて
to night…to night…to night
終わって行く

浮かぶ月に天使添えて
力の限り上に
winnig run
テレビジョンを笑う
気遣う Feeling Show
愛はもっとフリー
愛しき化け物たちよ
ヒューズ飛んでさよなら
化け物を見ていたくて

醜いとこまで全部
ねえケダモノをみせて
なんでちょっと痛いんだ

(まるごっとすかれたい)
(まるごっとすかれてたい)
なんでちょっと痛いんだ
なんかずっと痛いんだ
(まるごっとすかれたい)
(まるごっとすかれてたい)
なんでなんだー

※歌詞は現時点で判明している部分を耳コピしたものになります。

それでは歌詞考察と豆知識を合わせて書いていきます!

“子供のよう”が意味するもの

「懐かしい貝殻集めて/帰り子供のよう」というフレーズは、一見ノスタルジックな情景ですが、実は映画『火喰鳥を、喰う』の「過去が現実を侵食する」テーマと呼応しています。
貝殻は、古代から“記憶”や“魂”の象徴とされてきました。
特に日本では「貝合わせ」という遊びがあり、平安時代には貝殻に絵を描いてペアを探す遊びが「記憶を結ぶ」儀式的な意味を持っていました。

この歌詞は、主人公が自分の過去や祖先の記憶に“無邪気に”触れてしまったこと、そしてそれが引き起こす恐怖を暗示しているように読めます。

豆知識専門家
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貝殻は古代ギリシアや日本において「魂を運ぶ器」と見なされてきました。
古代ギリシアでは死者の魂が貝に宿ると信じられ、日本では「貝合わせ」が過去と現在を結ぶ象徴として用いられました。

化け物”と“ケダモノ”の違い

「抱えた化け物を見せて/ねえケダモノを見せて」というフレーズは、単なる怪物ではなく、人間の“本能”と“欲望”を示唆しています。

ここで注目したいのが「化け物」と「ケダモノ」という2つの言葉。
・「化け物」は本来「化(ば)ける物」、つまり正体を隠した存在や変容の象徴。
・「ケダモノ」は漢字で書くと「獣(けもの)」ですが、古語では「毛(け)」を持つ「田(た)の物(もの)」=「家畜や野獣」というニュアンスが強く、“人間ではないもの”を意味します。

映画のタイトル「火喰鳥を、喰う」にある「火喰鳥」はヒクイドリ(実在の大型鳥)がモデルですが、この鳥は“攻撃的”かつ“古代の生き残り”とされ、人間の「獰猛な本能」の象徴とも読めます。

この歌詞における“化け物”は、自分が隠してきた本能や執着そのものであり、それをさらけ出すことで痛みが生じるという心理を描いています。

豆知識専門家
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「ケダモノ」は平安時代の文献『今昔物語集』にも登場し、“人の姿をしたが獣性を宿す存在”という意味で使われていました。
この語源を踏まえると、歌詞の「ケダモノを見せて」は“隠している本性をさらせ”という挑発の響きを持ちます。

映画に潜む“生の執着”

「実は心は/涙など流せないようにできていて」というフレーズは、映画の祖父・貞市の日記に記された異様な“生への執着”と響き合います。
太平洋戦争末期、極限状況で人は“涙”ではなく“生への渇望”に支配されるという心理が描かれており、貞市が「ヒクイドリ、クイタイ」と書き残したのは、単なる鳥食の願望ではなく、“生を喰らい尽くしたい”という原始的欲望の表現だったのではないかと思えます。
歌詞の「化け物」は、そうした“生存本能”や“自己保存のための異形”のメタファーとして読めます。

豆知識専門家
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ヒクイドリは現存する鳥の中で「最も恐ろしい鳥」とも呼ばれ、恐竜に近い進化系統を持っています。
鋭い蹴りで人を殺傷することもあるため、「太古の生存本能の象徴」として世界の神話や伝承にもしばしば登場します。

「化け物」というタイトルは、単なる“異形”ではなく、人間が本来持っている“生への執着”や“本能”を象徴しています。
映画『火喰鳥を、喰う』が描く“過去に取り憑かれる恐怖”と同じように、歌詞の主人公も自分の内面に潜む“化け物”を抱え、その痛みと向き合おうとしています。

そして、最後に繰り返される「まるごっとすかれたい(まるごと好かれたい)」というフレーズは、化け物のような自分も含めて愛されたいという切実な欲望を表しており、聴く人に強い共感を呼び起こします。

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